社会を支える仕事:検察事務官の魅力とは?

  • 3f30544eb7a1d34d42ec4e8968687f0e.jpg
  • 95c6204f4ec502ca619febf51d932bed.jpg

    ? 取材日 2024年11月27日
     Kadai SALON(会報第5号)
     高松地方検察庁
     検察事務官
     岩下力矢さん
     (法学部 2024年卒)

?

香川大学会報誌vol.5(確認用)_15.jpg

『Kadai SALON(会報第5号)』の誌面に掲載しきれなかったインタビュー記事をご紹介します!

香川大学に進学されたきっかけは?
「法学部に行きたいなということは考えていまして、九州出身で法学部がある大学が、九州にはあまりなく、自分の学力とかいろいろ含めまして、香川大学を選んだという形ですね。」

検察事務官になられたきっかけ、選んだ理由をお聞かせ下さい
「最初は、漠然と公務員になろうかなと考えていました。自分の興味がある分野が刑事法、刑事分野でした。法律系の職業に就きたいということで、いろいろ探していた時に、ゼミの関係で検察庁のイベントに参加する機会があり、そこで模擬弁解録取という、逮捕された人の弁解を聞く手続きという体験をさせてもらいました。それが非常に面白かったというか、自分のやりたいことのイメージにも繋がり、検察庁?検察事務官への興味が湧きました。調べていくうちに、検察事務官の仕事って結構多岐にわたっていて、想像しやすいのが捜査だったり、裁判の立ち会いの他にも、証拠品の管理だったり、業務が多岐にわたるっていうのが面白そうだなと思って、検察事務官になろうと決めました。」

法学部の中で、検察に関係するようなことで、影響を受けた授業はありますか?
「きっかけの一部になったのは、刑事訴訟法のゼミだと思います。」

大学の学びの中で、仕事に活かされていることはありますか?
「やはり法律に触れていたことは、結構役立っている気がします。法学部じゃなくても、検察庁に入れますが、法律を使うことが多いというか、毎日使っていますので、実際にちょっとでも見たことがあるというのは大きいですし、とっつきやすさはあると思います。」

私たちから見たら、専門用語だらけだと思うのですが、ある程度はわかるものですか?
「そうですね。専門的な勉強を一から十までやっていたわけではないですが、あまり身構えずに法律の世界といいますか、法律に携わるっていうことができたと思います。入ってからは研修があるので、そこでは、法学部じゃなかった人向けにも勉強ができます。」

今の仕事の、具体的な内容について教えていただきたいのですが?
「今は、検務官室の事件令状係というところで仕事をしています。内容としては、警察の方に限らず捜査機関の方が、書類や証拠物を持ってきてくれますので、書類の中身、例えば、犯人とされている人の生年月日や、名前が合っているか、適用されている法律があっているのか。逮捕された場合には、逮捕の手続きがあっているのかというところを確認して、受理を行います。検察官が捜査をして、起訴するか、不起訴にするかを決めますので、それについての事務的な処理を行うことが主な仕事です。あとは令状関係、逮捕状とか、勾留状とかは聞いたことがあると思うのですが、捜索差押許可状とか、そういう令状もありますので、それらについての仕事をしています。」

いずれはこういう仕事をやっていきたいとかいうのがありますか?
「立会事務官という仕事がありまして、立会事務官は、検察官とペアになって、事件について捜査をするので、そういうところで捜査に携わっていきたいなっていうのはありますし、検察官に頼りにされるような職員というか、事務官になれたらそれは嬉しいかなと思います。

一番のやりがいを教えて下さい
「やりがいとはちょっと違うかもしれないのですが、自分が社会の役に立っているかなというところはあります。醍醐味という点では、ニュースになったり、新聞に載ったりするような事件に、自分が関係している、さらにはその裏側を知っているというのは、普通の方には体験できないようなところではあります。」

検察事務官に向けて、これからやっていこうと思っていることはありますか?
「今以上に、1つ1つの事件に対してのアプローチは丁寧なものになると思いますし、知識の面でも常日頃から気になった法律のことは、調べたりして、勉強はしていきたいなと思っています。検察官しかできない仕事もあるのですが、検察官ってちょっと雲の上の存在というか、司法試験を経てる以上、法律とかの知識はやっぱりかなわないですが、事件の処理をするとか、意見交換の機会や手続きなどで、答えをパッと出せるような事務官にはなりたいなと思っています。」

今後,果たして行きたい目標を教えて下さい
「治安を守る仕事が検察庁の仕事だと思いますので、社会の皆さんが安心して仕事に行ける、学校に行ける、子育てできる、そういう社会を守っていければいいなと思っています。」

コミュニケーションがとれないと、なかなか仕事ができないことはありますか?
「仕事をするにあたっては、コミュニケーションを使う場面が結構多くて、我々の仕事は、人の権利に関係する場面が多く、手続きが間違ったりすると人権を侵害してしまう可能性があるので、間違いがないように、緻密なコミュニケーションをとりながら、他の係の人と協力していくという意味では、コミュニケーションは大事だと思います。検察庁の職員じゃない人と関わる機会が多いので、必要なことが多いですね」

学生時代と働き始めてからのギャップって何かありますか?
「「働くこと」そのものが学生とは違うので、慣れるのにまず時間がかかりました。学生は、勉強したり、アルバイトしたり、サークルに行ったりっていう、結構自由度が高い。社会人になると、大体8時間ぐらいは働いていますので、自分のルーティン的なものを作るのには最初の方は苦労したかなと。」

学生時代にこれだけはやっていた方がよかったなって何かありますか?
「海外旅行です。学生の時間的な余裕があるうちに、行っておいてみてもよかったのかなと。社会人になるとやっぱり休みが少ないですね。
就活では、もう少し早く、いろんな職業を調べてみてもよかったのかなと思います。公務員試験を受けると決めてから探し始めたところがあるので、早いうちからいろいろ見て自分の興味がある、ありそうだなっていう分野を、少しでも知っておくと、就職活動が楽になるのかなと思います。」

休日はどのように過ごされていますか?
普段の休みは、掃除をしたり、映画やドラマをみたり、長い休みが取れたときは旅行に行ったりします。バイクが趣味なのでツーリングに行ったりもします。今の高松地検の検事正、検察官のトップの口癖が、「仕事の反対は遊び」と言われています。休日に休むことも大事ですが、趣味の幅を広げる、バイクもそうですが、バレーボールを大学生の時にしていたので、社会人のサークル的なものにも、今後は挑戦していけたらなと思います。」