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香川で学ぶということ。
キャンパスを飛び出し挑戦する香大生たち。

香川大学では学びの場はキャンパスだけにとどまりません。自治体や地場産業、地域づくり団体等と連携し、地域が抱える問題と解決を目指す、欧洲杯足球买比赛平台网址_欧洲杯开户首选-官网中文版科目特別主題(地域)では、香川県全域を学びの場として香大生たちがキャンパスを飛び出し、人と人との触れ合いや、地域について理解を深めながら数多くのチャレンジを行っています。今回は、1年次に異なる授業の切り口で地域に関わり、今も地域に関わり続けている香大生5人に、活動を通じて得た学びや今後の展望について語ってもらいました。

プロフィール

プロフ臼木(w300.png Test(w300.png プロフ白川(w300.png プロフ福田(w300.pngプロフ村岡(w300.png

皆さんがそれぞれのプロジェクトに関わることになったきっかけと活動の内容を教えてください。

村岡 四国水族館が大好きで以前から何度も足を運んでいました。しかし友人や知人に聞いても水族館の知名度が低く残念に思っていたこともあり、魅力を広く深く伝えるデジタルアーカイブ「四国水族館まる見えキューブ」の制作に取り組むことにしました。展示テーマである「四国水景」の魅力を分かりやすくキューブに反映するため、画面の縦軸に展示物のレア度を入れるなど工夫し、直感的に触れてもらえるようにしています。
福田 私は経済学部でマーケティングに興味があり、まんのう班でまんのう町の特産品であるひまわりオイルの販売促進活動に参加することになり、3年間継続しています。ひまわりを使って地方創生することで町全体を活気づけていけるのではと考えるようになり、実際にひまわりオイルを販売してマーケティングを行ったり、まんのう町の公式SNSの活用方法を提案してフォロワー数を増やしたりもしました。また町の魅力を伝える動画を制作し、その動画はまんのう町の公式HPで公開されています。

臼木 私は島に興味があったので小豆島の土庄町での活動に取り組みました。地元の人たちに話を聞くと、エンジェルロードという有名な名所があるが、観光客はそこだけを見て帰ってしまう、という課題がありました。そこで、町歩きで小豆島の魅力を伝えようと企画し、土庄港からエンジェルロードまでのウォーキングマップを制作しました。お店や神社などを回って取材し、細かな箇所も盛り込みました。私たちが命名した「オリーブの細道」という景色の良いスポットには白いベンチを設置するなど、工夫をしています。また神田先生の別の授業(香川で学ぶ地域?地場産業体験)では道の駅大坂城残石記念公園の活性化のために、お土産となる石垣チョコづくりを行いました。今年の秋頃に発売予定です。
菅田 1年次のコミュニティデザイン実習の授業で塩江町について学んだ際に、実際に現地へ行きました。その際に受けた地元の方のおもてなしに対し、何かお返しできないかと思ったのが活動のきっかけです。学生が楽しみながら貢献できることはないかと考え、メンバーを集めて塩江町に行き、地域の方と関わりを持ち、自然の中でさまざまな体験をしてもらいました。また子ども達のために森林の中にアスレチックを作って遊びを体験してもらうというイベントも実施しました。
白川 私は経済学部でカフェの運営など地域と関わるプロジェクトがたくさんありました。私は地域活性化とは違った形で地域と関わりたいなと思っていた時に、善通寺班の絵本づくりに興味を持ちました。善通寺班では学生が2つのグループに分かれ、1つは子ども達とフィールドワークを通じて絵本をつくるグループ、もう1つは様子を記録するグループで、データとして残し、1年間の締めくくりとしてお披露目会を開いて発表します。

実際に現地や地域の方と関わって感じたことを教えてください。

村岡 水族館の利用者の方約100名にインタビューしたところ、思ったよりも四国水景の理解が深まっていないことが分かりました。その情報を得られたからこそ、キューブを制作するにあたり視点を変えながら作り込んでいけたのかなと思います。
福田 まんのう町では年に1度ひまわり祭りが開催されます。自分たちも参加するために準備をしていたのですが、育つまでが難しく1年目のひまわり祭りが中止になってしまいました。ひまわりを育てているのは農家の方なのですが、後継者が不足していることもあり、ひまわりを町の観光資源にしていくための基礎作りが必要だなと痛感しました。
臼木 住民の島に対する思いは実際にお話を聞くまで分からなかったです。映画やドラマのイメージも強いですが、地元の方の声に耳を傾けてみると、そういったイメージばかりに注目されると本来の土庄町や小豆島の歴史やイメージが違ったものになってしまうという懸念を持っている方もいました。
菅田 地域の方が大変な労力を使って里山の階段を整備していたのですが、なかなか利用してもらえなかったそうです。ところが自分たちが階段の先にアスレチックを作ったことで多くの人が利用してくれて、階段を整備した意味があったと喜んでもらえて、嬉しく思いました。
白川 絵本づくりに関して、私たちの目線でこうしたら面白いのではないかというアドバイスではなく、子ども達が興味を持ったことを引き出してあげながら形にすることは難しいけれど大切だなと感じました。

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活動の中で学んだことや印象に残ったことを教えてください。

村岡 水族館の飼育員さんが、クラゲの好きな方で、いかにお客さんに楽しんでもらえるかを常に考えている姿が印象的でした。利用する人の目線に立った工夫をすることの大切さを実感しました。
福田 一緒に活動した中学3年生から将来タクシーの運転手になりたいと聞き、まんのう町PR動画を制作した際に、その子にタクシー運転手役で登場してもらいました。その姿を見て、自分も故郷のために何かしたいという思いが芽生えました。
臼木 ウォーキングマップを置かせてもらっているお店で「好評でもう無くなったよ」と嬉しい声を聞くことができました。また石垣チョコをイベントで配布した際に「いつから購入できるの?絶対買うから」と言っていただいたのも心に残っています。
菅田 イベントに参加した小学生たちが、雨が降りはじめた時に僕たちが作ったジャングルジムに段ボールで屋根や床を作るオリジナルの遊びをはじめて、こんなふうに楽しんでもらえるんだと感慨深かったですね。
白川 絵本づくりのためのフィールドワークで、子ども達が思いもよらないものに興味を持って注目する姿が印象的でした。実際に歩いてみたからこその体験だと思います。

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活動を通じて自分に変化はありましたか?

村岡
 戸惑うこともありましたが、困難な事でもチャレンジすることの大切さを実感しました。
福田 都会で働こうと思ったけど、活動を通じて地元に貢献したいという思いが強くなりました。
臼木 マップも石垣チョコも実現すると思っていなかったのですが、皆さんの協力が非常に大きな力になると感じました。
菅田 漠然と「世界で活躍する医師になりたい」という思いがあったのですが、“どうやって世界に貢献するか”を考えた時、地域全体の健康や暮らしに寄り添うことが大切だと感じました。「地域」に貢献するには、文化や背景、目の前の患者さんや、その地域の特性を知る必要があると思うようになりました。
白川 絵本はつくって終わりではなく、活動を通じて子ども達がどう変化したのかを伝えることで完結します。地域の方々との触れ合いや、魅力を発信していくことの難しさ、大切さを学びました。

今後プロジェクトにはどのように関わっていく予定ですか?

村岡 今後アクセス数の集計が出るので、それを踏まえて改善点などを考えたいと思います。
福田 まんのう町をテーマに卒業論文を書こうと思っています。ひまわりがまんのう町の観光資源になるよう後輩にバトンパスができればと思います。
臼木 石垣チョコに関しては販売促進のポップを作成するなどしてより多くの人に知ってもらえるようにしたいですね。マップはスタンプラリーなどに展開するのも面白そうです。
菅田 塩江町と香大生が緩やかにでも繋がっていけるような関係性が築けたらと思います。今後もコミュニティづくりは大切にしていきたいです。
白川 善通寺の子ども達に地元への愛着を深めてもらうことが大事なので一人でも多くの子ども達に絵本に触れてもらいたいです。


地域活性化のその先

?学生たちが地域社会のニーズを主体的に捉え行動に移すことは、教育的観点から極めて重要であると考えています。学部や専門の枠を超え、地域という共通のフィールドで多様な学生が相互に刺激を与えながら学び合う経験は、学内では得難い貴重な学びの機会となります。
?本学では、各自の専門性を活かしながら地域と継続的に関わろうとする学生も多く、その姿勢に大きな期待と喜びを感じています。教室内では得られない実践的な経験を通じて、学生たちは人間関係を深め、自己の成長を実感し、関わった地域を「第二の故郷」として捉えるようになることも少なくありません。今後は、こうした取組をさらに発展させ、産学官金の連携による地域共創型プロジェクトへと昇華させていくことを目指しています。

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地域人材共創センター講師 
神田 亮?(かんだ りょう)

香川県高松市出身。福岡大学大学院スポーツ健康科学研究科修了(スポーツ健康科学修士)。別府大学短期大学部講師を経て、2018年5月より地域人材共創センターの講師として着任。地域と連携した教育プログラムの推進に取り組む。専門は地域教育学?スポーツ科学。